ファゴット(バスーン)について

ファゴット(バスーン)について


What’Double-Reedご存じですかダブルリード!直訳すると二枚舌、実は楽器のこと。ダブルリードとは嘘つきクラブのことではありません。ダブルリードとは重なった2枚のリードが振動することで音を出す楽器のことです。身近にもダブルリードの音は存在します。たとえば、昔懐かしい流しのラーメン屋から聞こえてくるチャルメラの音色、子供の頃、一度は経験のあるストローの先端を切って作ったストロー笛などもダブルリード楽器です。また、日本古来の楽器では「ひちりき」があります。そう、神前結婚式で聞いたことのある「ビィヤー」という音色を持つ霊験あらたかな楽器です。ファゴットは日本に約30団体あるプロオーケストラを始めアマチュアオケや中学高校のブラスバンド等で広く使われています。もちろん、ヴィヴァルディやモーツアルトといった著名な作曲家が書いたソロ曲やアンサンブル曲も数多く作られています。

ファゴット(バスーン)について
BASSOON(英語、イタリア語)Fagot(ドイツ語)Bason(フランス語)ファゴットはTVのCMやドラマのBGMとして欠かせない音色になりました。ファゴットの奏でる音色は力強い男性の声に近く、天から降り注ぐような音色は常に旋律を担当し歌謡曲や演歌の間奏としても頻繁に使われています。バスーンの名前の由来は英語で低音部を意味するバスからきています。またファゴットはドイツ語で「まき束」を意味します。

ファゴット人口はどれ位?
日本のファゴット人口はプロ奏者も含めて約1万5000人が吹いていると言われています。他の管楽器に比べ最も少ない理由は楽器が高価であるとか音を出すのが難しいといったことが主な原因でした。それ以上に楽器本体を見たことも聞いたこともないのが最大の原因かもしれません。現在は全国の各中学高校のブラスバンドでファゴットが用いられ、その人口は徐々に増えています。

ファゴット演奏はおなかのエステ!
ファゴットの演奏はマラソンと同じくらい体力を消耗します。その上、呼吸器官を鍛え内臓の働きをよくし、おなかのあたりを引き締める効果があります。ファゴットを演奏するだけでは体型までは変えられませんが、スタイルのよい健康的なからだを維持することができます。ただし、暴飲暴食では到底スタイルは維持できません。

ファゴット演奏は地球にやさしい趣味!
ファゴットは200年も昔に作られた楽器も今とさほど変わりません。そのため楽器には流行がなく、一度慣れてしまえば生涯使える楽器です。耐久性は50~100年以上も使い続けることも可能です。そのため、世界中で作られているファゴットの総生産本数は、年間でおよそ1500~2000台しか作られていません。エコロジーが唱えられている昨今ですが、ファゴットに使用する楓(かえで。メープル)は、建築用にもあまり用いられないので、地球上にまだまだ沢山見ることができます。欠点といえば、組み立てると160cmにもなるため、小柄な方には少々扱い難いことです。逆に、ファゴットは吸った息をそのまま全て演奏に使えるのでトロンボーンと並んで呼吸が一番自然な楽器です。

ファゴット物語
楽器の中でクラリネット、サキソフォンはよく知られています。これらはシングルリード楽器と呼ばれ、クラリネットは1700年頃、サキソフォンは1840年頃発明された比較的新しい楽器です。木管楽器にはシングルリード以外にダブルリード楽器があります。ファゴット、オーボエ、、バグパイプ、ひちりきといった楽器がそうです。  ファゴットは1400~1500年代にすでに使われていました。当時は金属の加工技術が未熟で金管楽器を作るのが難しかったために豊かな響きを持つバスーンは当時の大編成の楽器群の中では重要な働きをしていました。    そもそも、ダブルリードという意味は二枚のリードが合わさって振動することからこのように呼ばれるようになりました。クラリネットやサキソフォンはマウスピースと呼ばれる台に平で薄い一枚のリードが取り付けられています。

ファゴットのボディはアルプスメープル(かえで)で作られています。最近はカナダや中国などの楓でも作られるようになりました。金属部分のキーメカニズムはニッケルシルバー(銅と亜鉛とニッケルの合金)に銀メッキが施されています。その外にも金属間の音消し用コルク、ボディのホールをふさぐタンポ、キーメカニズムを動かすスプリング等300以上の部品から構成されているので楽器というよりも精密機械に近い感じです。         ファゴットは「ソプラノリコーダーとアルトリコーダー」が合体したような運指で、管楽器では唯一10本の指全部を駆使します。楽器の長さは約160cm、重量は4kgと少々重くストラップで首や肩、腰から下げて演奏します。ファゴットの演奏にはある程度力強い息が必要ですが、管楽器では最も楽な息で出せる楽器なのでこつさえ掴めば小学生でも鳴らせます。ファゴット努力次第で大きな喜びを得ることのできる楽器です。           ファゴットはハンドメイドでしか作れない楽器で一人の熟練工が1台製作するのに延べ二週間もかかります。  そのため安価モデルはなく最低でも50万円近くします。最高は、現在のファゴットの基礎を作ったヘッケル社で約800万円もします。高級車並みの価格ですが、ファゴットは流行というものが当てはまりません。そのため、車のように5年たったら買い替えということはありません。楽器は丁寧に扱えば末長く現役で使えます。また、不要になった場合や買い替えの際には買い取りや下取りもできます。バスーンは独学で習うには難しい楽器ですが、数回習うだけで見違えるように上達することができます。

ファゴットメーカー一覧
Ace          [エ-ス]       (フランス)
Oscar Adler      [アドラ-]      (ドイツ)
Amati         [アマティ]      (チェコ)
Armstrong        [ア-ムストロング]  (アメリカ)
Aetley          [ア-トレ-]     (アメリカ)
Berg          [ベルグ]        (ドイツ)
Besson         [ベッソン]      (イギリス)
Boosey&Hawkes    [ブ-ジ-&ホ-クス] (イギリス)
Buffet         [ビッフェ]      (フランス)
Cello&Coo        [チェロ&クー]     (中国)
Buffet Crampon    [クランポン]     (フランス)
Fox          [フォックス]     (アメリカ)
Grassi         [グラッシー]      (イタリア)
HansKreul       [ハンスクロイル]    (ドイツ)
W.Heckel       [ヘッケル]       (ドイツ)
Hsinghai        [星海]         (中国)
Huller         [ヒュ-ラ-]      (ドイツ)
King          [キング]       (アメリカ)
Kreul&Moossmann   [クロイル&モースマン] (ドイツ)
J.Michael        [マイケル]       (中国)
S.Leitzinger      [ライツィンガー]    (ドイツ)
Linton         [リントン]       (アメリカ)
Miraphone       [ミラフォン]      (ドイツ)
Mollenhauer      [モ-レンハウエル]   (ドイツ)
W.Monnig       [メ-ニッヒ]      (ドイツ)
B.Moosmann      [モースマン]       (ドイツ)
Muller        [ミュ-ラ-]      (ドイツ)
Nikkan        [日管]          (日本)
Romeo Orsi      [オルジ-]       (イタリア)
Progres        [プログレス]      (中国)
Puchner       [ピュヒナ-]      (ドイツ)
Rignatone      [リグナト-ン]     (チェコ)
Savary        [サバレイ]        (チェコ)
W.Schreiber     [シュライバ-]     (ドイツ)
Selmer Paris      [セルマー]        (アメリカ)
H.Selmer       [セルマ-]       (フランス)
Song         [ソング]        (中国)
Sonora        [ソノ-ラ]       (ドイツ)
Swallow        [スワロ-]        (中国)
Takeda        [タケダ]        (中国)
Walter         [ヴァルター]       (ドイツ)
Yamaha       [ヤマハ]        (日本)